「アンドリュー・ワイエス展」 風景に仮託された心象


授業の後、予習で寝不足気味の頭だったけれど、どうしても観ておきたかった展覧会を観にいった。

渋谷のBunkamuraで「アンドリュー・ワイエス展」
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_wyeth/index.html

ワイエスの作品をきちんと見るのは初めて。
この展示では、副題として「創造への道程」とつけられていて、最終的なテンペラ画になるまでに描かれたスケッチや水彩画を並べて、対比する形で見せているのが面白い。
ワイエスは、風景に自己の心象を投影して、それを絵としているので、絵を何度か描いていくうちに、風景はより心象を強めたものになっていく。

特にお世話になったオルソンさんが亡くなったときの煙突の絵は、描いているうちにワイエス自身の心証が移り変わっていくのがわかる。煙突の絵は、いつもその下のキッチンにいたオルソンさんの不在に対しての心の揺らぎを表現しているものだと思うけれども、はじめ風景をそのまま描いたいたのに、最後には背景に水をたたえた入り江が描かれる。
ここでワイエスはこの不在に対して平安を得たのではないかとも思った。

同じものを描いても、扉が開くか閉じるかすれば、それは全く違うイメージとなる。
ワイエスの素朴な絵を描く過程においては、そうしたものを自分のイメージと合わせる作業を行っていたと考えることができる。

また、古いバケツや農機具のようなものを描いているけれど、描いている風景の奥底に、ストーリーが内在しているのもすごい。
それが絵を単に二次元にとどまらせず、やむにやまれぬようなイマジネーションを観ている人にも与えているように思った。
| たまにアート| 10:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
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