日本の排出量取引の主導権を争う綱引き
今夜も飯田哲也氏の環境コラムから、日本の排出量取引について

「試行」か、「恣行」か――混迷極める排出量取引・クレジット市場(08/10/10)
洞爺湖サミット以前は、排出量取引を巡って、国論は2分していた。自民党の一部と民主党、そして環境省や環境NGO、そして有識者やメディアの大勢は、排出量取引を導入すべしとの立場に立ったのに対して、あくまで自主行動計画で十分であり排出量取引は導入すべきではないとする日本経団連と経済産業省が対立する構図だった。

ヨーロッパではキャップアンドトレード方式で、排出量取引が法制化しているのだと思いますが、日本ではこれからという状況なわけです。

そこで出てきた福田ビジョンにおける日本型の排出量取引の「試行」が各省庁の折衷案でしかなく、曖昧模糊としているというのが、飯田氏の指摘している点です。
京都議定書に対する不足量(CO2超過量)は数億トンレベルに達する恐れがある。これをすべて海外からの京都クレジットで賄うことは、いかに京都クレジット自体が安くても、合理的な判断ではない。京都議定書の定める「補完的であること」に反するばかりか、国費の流出、国内の排出構造転換の遅れなどに繋がるからだ。さらに、2020年に向けた目標の深掘りや昨今のエネルギーコストの上昇を考えると、なおのこと、国内での削減が重要性を増す。そうなると、今後の国内クレジット市場は巨大なものが想定されるため、そのクレジットの管理体制や認証などは、霞ヶ関的に見れば、巨大利権となりうる。
 今回の「試行」の水面下では、そうした「クレジット主導権争い」も行われたのである。

一方で、同じ日経エコロミーのコラムで三菱総研の橋本賢氏はこれを評価しています。
排出量取引「試行」の行方を占う(08/10/28)
産業界を「排出量取引」という土俵に乗せる準備が整ったこと自体は評価すべきでしょう。企業にとっては
・自主行動計画に対する自社の目標が明確になる。
・目標達成の手段が多様化する。
・これまで続いていた業界目標の「深掘り」が避けられ、目標からの一層の削減が経済的利益につながる。
といったメリットが享受できるので、「試行」への参加はかなり「お得」であり(「試行」への参加によるデメリットはさして無いでしょう。)、多くの企業の参加が期待されるところです。

傍目から見ると、こんなところで省庁間で権力争いをしていないで、優秀な頭脳で一本化して、環境のために、国益のために、わかりやすく進めてもらいたいものです。
福田ビジョンの「試行」は闇鍋式の手探りで終わるのでなく、きっちり次につなげることのできる「試行」にできるようにして欲しいものです。

| 環境関連のニュースなど| 22:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
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