b09045「目に見えない資本主義」 資本主義はどう変わるのか ☆☆☆
田坂 広志(たさか ひろし)
東洋経済新報社

明日の経済学の自主勉強会の指定本。金曜日には、著者の田坂広志さんの講演会も聴いてきた。

今回のサブプライムから発する経済不況について、経済学の方向性を語ると同時に、今後の世界とそこで生きていくことにつても語っている。
そもそも、今回のサブプライムの問題も、目に見える経済・目に見える資本主義だけを追い続けたことに問題があり、目に見えない資本主義(人と人との協力、共感、社会貢献・・)というものを無視して半ば切り崩したことにより、問題が大きくなったのではないかとする。

不況もあるところで好転していくだろうが(実際に好転しだしている)、そこで僕らが大事なのはそこから僕らが何を学び、何を今後活かしていけばいいのか、という命題によって、この本は書かれており、それこそがこの本が世に出た理由ということだ。

田坂さんの指し示す方向は、世界が半ば無視しようとしていた、「目に見えない資本主義」を現代に合った形で取り戻そうということだ。
この考え方の背景に、弁証法がある。ここでは簡単にまとめられていて、
弁証法の
1.事物の螺旋的発展の法則
2.対立物の相互浸透の法則
で説明している。
つまり、物事が発展していくときは、螺旋階段のように高みに上がると同時に、あるところで以前のものに戻っていく形をとる(例えば、手紙⇒電話⇒Eメール(手紙))。また、対立しているものが近づいていく(例えば、ネットとリアル、ネットはリアルがあってその価値が高まるようになってきた)。

資本主義も、与えるー与えられるという関係ではなくて、昔の共同体のように、共感し自らが動いていくことによって、変わっていくのだということだ。

ポイントは5つあって、
1.操作主義経済⇒複雑系経済
2.知識経済⇒共感経済
3.貨幣経済⇒自発型経済
4.享受型経済⇒参加型経済
5.無限成長経済⇒地球環境経済
である。

心に残ったフレーズをいくつか取り出しておく
・人間の精神の「成熟」とは、「見えない価値」が見えるようになること。p.100
・社会において「分業」や「専門化」が起こる以前には、「消費者」は「生産者」であり、「生産者」は「消費者」であった。 すなわち、「自給自足」の時代。p.122
・「イノベーションの手法」がイノベーションを遂げる。
「享受型イノベーション」から「参加型イノベーション」へのパラダイム転換として。p.124
・「橋のデザイン」を考えるな。「河の渡り方」を考えよ。p.137
・日本文化において最上の心得は、自分と他人を分離しない「自他一体」の心得であり、「主客一体」の心得であった。p.200


| 読書(経済学)| 09:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
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