m10007「マイレージ、マイライフ」 解雇時代に何も背負い込まない人の優雅さ ★★

吉祥寺でジェイソン・ライトマンの「マイレージ、マイライフ」。

ジョージ・クルーニー演じる主人公ビンカムは、解雇を言い渡す代理役を引き受ける会社で働き、アメリカ各地にある企業を次々と訪問する。
その中でも、自分の役割がもたらす相手の人生の転落に対して、一緒に落ち込んでしまったり、仕事に疑問をもつこともなく、効率的でスタイリッシュな移動をしながら、移動距離であるマイレージが増えていくことを楽しんでいる。

この映画はアメリカの今の世相をよくあらわしている。
長年働いていた会社から突然解雇を言い渡されることが日常としてあり、一方でそれを言い渡すものは全くの他人、委託された社員であるということ。
言い渡される方には痛みがあるが、言い渡す方はルーチンワークの一環であり、そこに痛みなどない。
家族ももたず、独身を貫き、責任をしょいこんだりなどせず、楽しんでいければよいという人生哲学をもつ主人公は、今の世相においては強い。
暗い現実を他人事で通してこの生を謳歌している主人公の行動は、ある意味馬鹿げてもいて、ひとしきり鼻で笑わせるような映画のつくりになっている。

ストーリーが進んでいくと、主人公の会社でも解雇を言い渡す仕組みがシステム化されて、マイレージ生活のライフスタイルがあえなく崩れそうになったり、主人公の妹の結婚を通して家族を再考したりして、進んでいく。
ただ、独りだけよければ済むものではない、アメリカという国を家族主義の絆で協力して盛りたてていかなければならないというメッセージと、一方でそんな簡単なものではないというアンチテーゼも投げている。


| 映画| 19:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
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