b10023「環境と経済の文明史」 経済発展と自然環境保全の両立を歴史を紐解いて考える ☆☆☆
日経新聞の書評で推薦されていて、興味をもって読んでみた。

大量生産大量消費の時代が限界にきていて、ここからどのように舵を切ればよいのかということを見据えているのだが、歴史をひも解き、文明のはじまりから農耕や科学技術がどのように発展してきて、それが自然をどのように利用してきたものなのかを明らかにしていく。
その上で、大量生産大量消費を実現できた科学技術の進展に一定の評価を与える。
また、大量生産自体にも、資源を効率的に使えるというスケールメリットの面で評価を与えている。一方で、自然の余剰生産物を掠め取り、資源抽出時に環境に負荷を与え、さらに経済活動の残余物を捨てることによって自然に負荷を与えている負の側面がある。

ここで「ポーター仮説」が紹介される。
<<適切に設計された環境規制は技術革新を促すことによって企業の国際競争力を向上させ、更には他の企業にも波及効果をもたらす。>>p.217という仮説である。

このように自然系から資源を採取したり、自然系へ残渣を排出するとき、自然のみならず経済にも悪影響を与えることを踏まえ、悪影響をマイナス価値として市場経済に信号を送ることで、自然と経済のバランスをとった持続可能な経済が成り立つとする。筆者はこれを「グリーン・キャピタリズム」と呼んでいる。

経済発展と自然環境の両立のために必要なものが、見識と知恵としている。
さらに踏み込んで見識は教養ではないかとしている。

目指すべき目標からバックキャスティング的に現在のとるべき道を考えていき、経済と環境が両立できるシステムを作っていく必要性を述べている。


全体的に文章も展開もわかりやすくて大変いい内容だった。

| 読書(環境)| 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
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