b08013「チェンジメーカー_社会起業家が世の中を変える」 経済的リターンと社会的リターンを追求することで成功する ☆☆☆
チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える
チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える
渡邊 奈々


渡邊 奈々の「チェンジメーカー_社会起業家が世の中を変える」

世界中の社会起業家を18人紹介しているが、ひとつひとつの事例にエネルギーと献身さ、そしてビジネス的な仕組みがあり、非常によい本でした。

驚きだったのは、ここに登場する社会起業家たちがただ熱意と献身さで、砂漠に水をまくようなことをやっているわけではなくて、ビジネスモデルをうまく使って、活動を行っているということです。営利組織と非営利組織に、ビジネスの仕組みレベルでは実はたいした差がないということがすごい。

金子郁容氏の解説がわかりやすい。

ソーシャル・アントレプレナーシップとは何か。いろいろな言い方がされているが、「社会的なミッション(=使命感)をもち、経済的リターンと社会的リターンの両方を追求する継続的な活動で、従来のビジネス手法を積極的に採り入れるもの」というのが、一般的な「定義だろう」。

ソーシャル・アントレプレナーシップの特徴とは何だろうか。(略)

ひとつ目は、ソーシャル・アントレプレナーシップの「シーズ(=種)」に相当するもので、社会の矛盾や問題に出会ったとき、「これはなんとかしないといけない」という心のさざ波をそのままにしないで、「私がやろう」と行動に移すことだ。

(略)

ボランティア活動とのはっきりした違いは、ソーシャル・アントレプレナーは、冷静かつ現実的なアプローチをとることによって、社会問題に対するひとつの”ソリューション”を提供するということだ。これがふたつ目のポイントである。

(略)

3つ目の特徴として(略)、ソーシャル・アントレプレナーたちは、事業推進のために現実的な通常のビジネス手法をとるのだが、自分たちの組織が「社会問題のソリューションを提供している」ということを、事業の「強み」にしているという視点だ。

(略)

本の最初に登場する、いわば「ソーシャル・アントレプレナーの父」とでもいうべき、ビル・ドレイトンは、彼が創設したアショカ財団のフェローを選出するにあたって考慮する、ソーシャル・アントレプレナーに必要な資質について、こう語っている。
「右脳と左脳の両方が豊かで、何かしらの社会の矛盾を解消したいという情熱があり、変革を実現する可能性のあるアイディアと、そのアイディアを実現する具体的な戦略を持っている」ことだ。そしてドレイトンは、なにより「誠実さが大切だ」と言う。

| 読書(社会起業家)| 20:45 | comments(0) | trackbacks(0) |

b08010「これから働き方はどう変わるのか」 営利も非営利も社会貢献の上に成立する時代に向けて ☆☆
これから働き方はどう変わるのか―すべての人々が「社会起業家」となる時代
これから働き方はどう変わるのか―すべての人々が「社会起業家」となる時代
田坂 広志


田坂広志の「これから働き方はどう変わるのか」
田坂氏の本は2冊目。

社会起業家に少し興味をもちだしていて、その取っ掛かりとして読んでみたがなかなか示唆に富んでいた。

社会起業家という言葉からてっきり非営利組織で働く人のことを言うのかと思っていたら、

すべての仕事は、「社会貢献」の仕事であり、
すべての企業は、「社会貢献」を目的として存在している
(略)
これからの時代には、
多くの企業が、この「社会貢献」という原点へと回帰していきます。
(略)
「営利企業」で働くことそのものが、
素晴らしい「社会貢献」となっていく。
その考えが「常識」になっていくでしょう。
p.75-76


と説いています。
社会貢献を支えるツールとしてインターネットの普及も挙げています。誰もが情報を発信でき、人と共感(人に共感)していくことができるからです。

一方で、警句もあります。

臨床心理学の世界で、一つの警句が語られています。
「人間は、自分を癒すことができないと、目の前の世界を癒したくなる」
(略)
我々は、自分自身の人間としての成長の課題から「逃避」するために、
「社会貢献」や「社会変革」を語っているのではないか。
その問いを、一度、自分自身の心に深く問うてみるべきでしょう。
p.168


本の主題からは外れるけれど、本に紹介されていた面白い考えとして、ヘーゲルの弁証法が挙げられていた。

この世の中の物事は、まったく逆の性質を持った対立するもの同士が、
闘争のプロセスを経て、互いに「相互浸透」を起こし、互いに
似通ってくるという法則のことです。
(略)
この「事物の相互浸透」のプロセスは、
我が国を始めとする先進資本主義国においては、
いま、「営利企業」と「非営利企業」の間にも生まれつつあります。


また、複雑系の考え方も紹介している。

「複雑系」の研究がテーマとしているのが、
複雑なシステムが持つ「創発性」や「自己組織性」と呼ばれる性質です。
すなわち、社会や市場や企業などのシステムは、その内部での情報共有が進み、
相互連関が強まり、システムが複雑になると、
あたかも一つの「生命体」のように、
外部から何も働きかけなくとも自然に、「秩序」や「構造」が生まれてくるのです。
p.190



兎にも角にも、働き方の志向すべき方向がわかったように思う。
おそらくこんな流れになっていくのではないか。

1)
組織全員が同じように昇進昇格する横並び時代
人は組織の保持のために働く
 ↓
2)
一部のリーダー(プロフェッショナル)とそれ以外に分かれる二極化時代
人は組織のために働きつつも、自分を差別化させようとする。
 ↓
3)
社会貢献の志向性の強いリーダーと組織のもとでの二極化時代
リーダーである人ほどより意識的に社会のために働く。
また、社会への還元を鼓舞できる組織ほど強くなる。

| 読書(社会起業家)| 15:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
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